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タイカルチャー基礎知識:キンジェー (菜食週間)

もうすぐキンジェー(菜食週間)の時期ですね。今年は10月13日~21日までの9日間。キンジェーの由来については諸説ありますが、一つは約400年前、清国を作った満州族がある地域を攻め入った時に、菜食主義者たちが白い服を着て立ち上がり、自分たちの土地を守ったという言い伝えに由来します。ここから、白い服を着て、動物の肉を食べずに戦うことで強い勝者となれる、と信じられるようになったと言われています。

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タイの仏教徒は、牛は仏陀の弟子であると信じているため、牛肉を食べません。それが、中国から来たキンジェーのしきたりと相まって、菜食週間となった可能性が考えられます。厳しいキンジェーでは、匂いや味の強い野菜5種類(ニンニク、ネギ、 らっきょう、たばこの葉、チャイニーズ・パセリ)も禁止で、酒類、牛乳、バター、チーズ、卵もいけません。また、甘すぎるもの、辛すぎるもの、酸っぱすぎるものもダメ

これらを断つことで、心身を浄化し、気持ちが落ち着くとされています。ただ唯一、牡蠣は食べてOK。その昔、空腹に耐えきれなくなった修行者が棒を海に刺し、それにかかったものだけは食べて良いとされ、捕れたのが牡蠣だったことなどからOKとなったと言われています。また、この間は、仏教の五戒 (殺生をしない、盗まない、不道徳な性行為を行わない、嘘をつかない、酒を飲まない) を普段以上にきちんと守るべきとされています。

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タイ最大の「キンジェー祭り」はプーケット島で開かれます。 式典やコンサートが開かれ、島中が黄色い旗一色に染まります。 本当のキンジェーを試したい方は白い服装で、ヤオワラート(中 華街)のレンヌイジー寺(ワット・マンコーンカマラワート)に行ってみて下さい。そこでは朝・昼・晩、参拝者に食事が振る舞われます。今年はキンジェーに参加して、心身ともに浄化してみてはいかがでしょうか?

住田 千鶴子 スミタ・カルチャー・センター&プロダクション主宰。長年にわたり、日本人駐在員や日系企業のタイ人従業員向けのトレーニング講師、国際会議での通訳・翻訳業務に携わる。東京ディズニーランドにて会議通訳・コーディネータ ー・アシスタントマネージャーとして18年活躍。初来タイは50年前の1963年。日本人駐在員の必須マナーについての著書が12月27日に出版予定 (SUMITA Limited Partnership出版)。 http://sumitaschool.com/

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