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駐在生活お悩み相談:タイ人マネージャーが年下のスタッフと折り合いが悪いようです。。。

慣れない海外生活には、いろいろな悩みがつきものですよね。なかでも、妻・彼女やタイ人女性スタッフなど、女性とのコミュニケーションの問題に頭を抱えている方も多いのでは?ここでは、男女の心理に詳しい平松隆円先生が、状況を打破する方法を指南。少し心が軽くなる読む処方箋です。

オトコの駐在生活お悩み相談 その9

Q

タイ人男性スタッフをマネージャーに昇進させたら、部下のタイ人女性スタッフ(彼より年上)と折り合いが悪いようです。彼にどうアドバイスすべきでしょうか。
(38歳、既婚、駐在歴1年8ヶ月)

A

以前は関係が良好だったのに、昇進後に折り合いが悪くなったのだとすれば、理由は2つに1つ。個人的な男女の問題か、それとも昇進か、ですよね。男女の問題は、放っておくしかありません。では、昇進が原因ならどうするか。これは、本当に難しい問題です。

単純に男性スタッフにマネージメントスキルがないことが原因ともいえないのも、タイ社会なら考えられます。ご存知の通り、タイは階層社会です。一億総中流と呼ばれるよ うな日本とは違って、タイには社会的地位や経済的な地位、そして年齢による確固たるヒエラルキーが存在しています。今回の男性スタッフと女性スタッフの折り合いが悪くなった原因は、そのヒエラルキーが影響しているのだと思います。実際、女性スタッフは、男性スタッフより年上とのこと。自分より若輩であるスタッフが、より高いポジションに就いたことが原因かも知れません。

年齢というのは、タイ社会では決して軽くみることはできません。例えば、ボクは大学に勤めていますが、基本的に教官と事務官の関係においては、教官の方が上と考えられています。ですので、普通は年齢が下でも教官であれば、事務官に仕事の指示ができるわけです。ですが、年下の教官が年上の事務官に仕事を頼んでも、忙しいからできないなどを表面上の理由に、断られることが往々にしてあるんです。実際の理由は、年齢が影響しているわけですが……。

会社という組織の中に、タイ社会特有のヒエラルキーを持ち込まれるのは困ったことかも知れません。ですが、これがタイなんです。日本企業だからといって、日本のルールを持ち込むのも問題といわざるを得ません。男性スタッフの上司だからと、あなたが何とかしたい気持ちはわかりますが、この二人がそれぞれ一目置いているようなタイ人スタッフに、解決の協力を仰ぐ方がいいかもしれませんね。

今月の処方箋:
タイでは年齢のヒエラルキーが存在するので、人員配置には気を遣いましょう。今回の件は、直接アドバイスせず、年長のタイ人スタッフに相談してみましょう。

平松 隆円 大学教員 / コラムニスト 京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理に詳しい。現在は、タイ国立大学勤務のため生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。 http://ameblo.jp/ryuenhrmt/

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