2025.07.7特集
バンコク食店フィロソフィー “わたしが歩んだタイランド” Interview Vol.2
群雄割拠が続くバンコクの飲食業界。新店舗や名だたる老舗が注目を集める中、前号では「老舗店」を目指して日々奮闘する中堅飲食店にスポットを当てた。今回の第2弾も、引き続き彼らの取り組みに迫りながら、厳しい競争の中で店舗を維持し続けるための工夫や、その根底にある思いに耳を傾けた。
時代を読み解く力で希少価値を高めてゆく。
「最近では、安価なニホンウナギ以外の稚魚を養殖した外来種を使う専門店も増えています。古来から日本に息づく”本物の鰻”を味わえる機会はどんどん減っていますね」
そう語るのは、シンガポールで20年にわたり日本食を提供し続けてきた料理人、松本隆志さん。高知の本社とともに、純国産ニホンウナギを武器に6年前、トンローのホテル日航に「うなきち」をオープン。
「2019年3月に開業して、同年11月から、コロナの影がじわじわと広がってきて。不安の中でしたが、本物のうなぎを届けたいと奮闘してきました」
逆風の中でどう耐えたのか?
「予測不可能なパンデミックを乗り切る知恵を誰もが持ち合わせない中、ランチ営業やデリバリー、できることを一つひとつ積み上げながら、我々も含めたスタッフの生活を守ることを最優先にしました。味の要となるタレも、継ぎ足して守ってきたものですから、定期的に火を入れて、店が動かない間も育て続けました。シンガポールではSARSも鳥インフルエンザも経験しましたし、何をしてもダメなときはダメ。目の前の売り上げを追うより、時が過ぎるのを、じっと待つしかないなと」
シンガポールからタイに拠点を移した理由は?
「シンガポールは狭い国土に飲食店もひしめいています。新しいことをやるには限界を感じていたし、年齢的にも次が最後かもしれないという気持ちもありました。その点、タイは発展も著しいのに、昔の日本のような懐かしさもある。食材の輸入規制などの面で難しさもあるんですが、海も山もあって気候もいい。中華系のノリと比べると、タイ人の持つ柔らかい雰囲気が、自分には合っているとも感じます」
「開店当初、タンブン(徳を積むための放流)文化があるから、タイ人にうなぎは食べられないという声もありました。でも、日本に行くタイ人が増えたことで、本物のうなぎを知る方も増えました。当店のさっぱりした辛口のタレを好む方も多くなってきて、少しずつ受け入れられてきた実感があります」
日本の伝統文化を次世代へ。
店として変えるもの、変えないもの
「シンプルだからこそ手間を惜しまず、妥協しない。備長炭で焼くのも、和蒸籠で蒸すのも、全ては鰻の魅力を最大限引き出すためです。鰻のようなアナログな専門店って、鰻の味がお客様の期待に合うか、この期待を裏切ることになれば次はありません。だからこそ、クオリティもサービスも常に一定を保つ努力が必要です。ただ、コロナ以降、客層もニーズも大きく変わったと感じています。料理を待つ間にお酒を楽しむ——それが鰻屋の醍醐味だった。でも今は“早く食べて帰りたい”というお客様も多い。一人ひとりに寄り添う柔軟さも、これからは必要になってくると感じています」
今後の展望は?
「ニホンウナギは絶滅危惧種に指定され、白炭の備長炭も資源枯渇の危機に晒されている。日本の老舗店でも、かき入れ時の土用の丑の日に休む店が増えているほど、いいものは取り合いなのが現状です。私たちも環境との向き合い方を模索しながら、江戸から続く文化としてのうなぎ屋を次世代に繋いでいきたい。料理人の妻と二人三脚、互いに助けながらこれまで歩んで来れた。タイではまだ7年目。若くはありませんが、頑張ります(笑)」
お店データ
TEL:098-104-0010
住所:トンロー通り日航ホテル3階
営業時間:ランチ 11:30-14:00 (L.O. 13:30), ディナー 17:30-21:30 (L.O. 20:30)
休:月・第三火曜、禁酒日ディナー(禁酒日はランチのみ営業)
駐車場:有
七転八起の精神が、人生に彩を与えてくれる。
ソスクンビット・ソイ49と33/1で「生そばあずま」2店舗、そして「うどんWEST」。福岡発の飲食チェーン「ウエスト」が展開する3店舗を束ねるのが、オー
ナーの川野敦史さん。”蕎麦3玉まで無料”というサービスで話題を席巻、それまでの”蕎麦=少ない・高い”のイメージを払拭した。
飲食の道に入ったきっかけは?
80年代初頭からNY、LA、はたまたジャマイカと店舗展開するウエストに、純粋に”海外で働きたい”という気持ちから入社を決めました。22歳の時、今から35年前のことです。勤務地はニューヨーク。ダウンタウンやブロードウェイ、タイムズスクエアなどの街角で、おでんや立ち食い蕎麦、寿司のファストフードをやっていました。マドンナに接客したこともありますよ(笑)」
刺激的な日々も気づけば10年の月日が流れていた。アメリカに骨を埋めるつもりで永住の覚悟を固めるも…..。
「ビザの関係で日本への帰国を余儀なくされました。これを機に一度退職して、今度はカナダで働こうかなと、1ヶ月ほど求職の旅に出たんです。でもどこか決め手に欠けて、結局日本に戻りました。その時、行くなら暖かい国がいいなという思いも頭にあった。それが今のタイに繋がったのかもしれません」
帰国後、ウエストの創業者から「暇してるならうどん屋を手伝いなさい」と声がかかり、再び現場へ。そこから10年、怒涛のフル稼働が始まる。
「会社員ではあるけど、どこか自由業みたいな側面もあって、基本的に仕事は好きなんです。がむしゃらに働いていたら、国内の店舗数は30から130まで増えてましたね」
困難を乗り越えた先にある景色。
その後にタイ進出を決意した理由は?
「日本ではうどんの繁忙期は冬、夏は蕎麦って分かれてる。NYもシーズンに左右されるけど、タイならほぼワンシーズンで一年中蕎麦が売れる環境じゃないかって」
2015年の初出店から一時期は7店舗まで増やしたが、順風満帆とはいかなかった。景気の悪化で2店舗、コロナ禍でさらに3店舗が閉店。コロナの休業補償もない中、従業員の退職手続き、家賃交渉、デリバリー対応などで体力も気力も削られた。
「デリバリーや持ち帰りで到底カバーリングできる状況ではない。カラ家賃だけ払いながら、その後10ヶ月ほど続く一時休業に入りました。”あずまさん、撤退したのかな”って噂されるほどで。10ヶ月後に店に戻ったら、もう空気も淀んで、内装もボロボロで…..完全に”死んでる”状態でした。大掃除から始めて、内装も直し、「あずま」の看板をもう一度掲げて再スタートを切ったら、辞めた従業員もお客さんもたくさん戻って来てくれて。おかえり、待ってたよ、と声をかけられた時は、涙が出るほど嬉しかったですね」
タイに出店してみてのメリット、デメリットは?
「エアコン、冷蔵庫、内装、とにかく設備の劣化は早く、修理費もかさむ。ただ、契約や開業準備に2~3年かかるNYと比べれば、店を開けるまでのスピードは段違いで、人件費や気候の面でもメリットは大きいかな。進出当初は、タイ人は蕎麦を食べないと言われ、実際にお客さんの9割が日本人でしたが、今は完全にタイ人が中心。タイの飲食シーンは今、加速度的に進化しています。そのスピード感をもって、もう一度展開を仕切り直したい。蕎麦以外の業態にも挑戦したいし、別の国にも行ってみたい。まだまだ、見たい景色があるんです」
お店データ
TEL:061-178-9616
住所:スクンビット通りソイ49奥四つ角、ウォラサービスアパート1階
営業時間:11:00-15:00 (L.O. 14:30), 17:00-21:30 (L.O. 21:00) 日祝21:00閉店
休:無
駐車場:有
お一人様予算:500B~
この土地だからこそ、パッションが湧いてくる。
安く、美味しく、昼から飲める大衆酒場。そんなコンセプトで札幌を拠点に展開する恵美須商店が、2019年、海外初出店を果たす。オーナーは佐々木真さん。タイに決めたのは一瞬のひらめきだったという。
「20代はススキノでBARを経営していて、30代で結婚を機に恵美須商店に入社しました。年に数回は仲間と海外旅行をしていたので、次はバンコクに行ってみようかと。それが全ての始まりでした」
初めてのタイ訪問は4月、ソンクラーン明けの猛暑のバンコク。強烈な熱気と活気あふれる繁華街、そしてそこに根づいていた日系居酒屋の存在感に驚かされた。
「しっかり美味しく、価格帯は日本と変わらないか、むしろちょっと高いくらい。それでも店は繁盛している。タイの物価を考えると、これは面白いなと。タイローカルの居酒屋『剣心』に行った時も、安くてそこそこ美味しいものがタイ人に支持されているのを見て、“これ、日本人の味覚に寄せて、うちがやったらいけるんじゃないか?”と」
そう思ったら行動は早く、旅行から半年後の11月には、ソイ26の路地に1号店をオープン。順調な滑り出しを見せるも…..。
間もなく飲酒・飲食禁止のロックダウンに突入しました
「正直、毎日どうにかしないとって感じでした。店頭に焼きそばやたこ焼き、おはぎを並べたり、デリバリーをフル回転させたり、SNSも必死に更新して。その中で生まれたのが、格安の宅配寿司や200バーツ以下の海鮮丼、そして“300べろセット”。300バーツで酒とつまみを楽しめるセットは、今でも主力メニューです」
灼熱の太陽と活気あふれるタイ。
そうしたアイディアの源は?
「毎日どこかしらの店で食べ歩き、良いと思ったら自分なりに咀嚼して、“今ある材料で再現できるか?お客さんに出せるか?”と考える。100のうち2〜3実現できればいい方ですね。打てば響いてすぐ数字に繋がるのがタイの面白さかもしれません」
海外でのビジネスも初めてですが
「バイク移動の途中なんか、ふと現実感がないというか観光客気分が抜けないなと思う瞬間もあります。でも現場に戻れば、エアコンが壊れたり、トイレの水が吹き出したり、何かしら常にトラブルがある。修理業者も時間通りに来ません。店舗スタッフとの付き合い方も毎日が勉強です。同じ話を何度しても伝わらなかったり、作業の掛け持ちが苦手だったり。でも諦めず、情熱を持って伝え続けるしかない。それでもみんな一生懸命働いてくれるし、普通なら知ることのないような和食も、こちらが教えればどんどん覚えてくれる。本当に助けられています」
現在、バンコクに直営4店舗、フランチャイズ2店舗、計6店舗を展開。今後は?
「いずれはセントラルキッチンを整えて支店を増やし、ローカルエリアにも出てみたいと思いますが、うちの一番の特徴は”低価格”であること。高ければ、居酒屋って毎日来れないじゃないですか。正直、薄利多売で経営的にはラクではありません。だからこそ仕入れは妥協せず、SNSで繋がったタイ系の業者にもガンガン声をかけ、サンプルを取り寄せ、いいと思ったら切り替える。”安ければ買う”って伝えておくと、業者さん同士が勝手に価格競争してくれることも。”え、そこまで下げて大丈夫…?”みたいな(笑)」
お店データ
TEL:064-304-0960
住所:BTSプロンポン駅すぐ ソイ24と26の間
営業時間:11:00-5:00
休:無
駐車場:無
お一人様予算:300B~
そこに心が在るとき 、喜びの連鎖は起きていく。
串一本20バーツから、一品料理も100バーツ前後。「コスパ最強の居酒屋」として在タイ邦人に知られる「ヒナタ」は、アソークの目立たぬ立地ながら、今年で開店6年目を迎える。店を率いるのは、飲食業界ひと筋30年、現場経験も豊富な長谷川真也さん。子どものころ、母親にふるまった手料理を「美味しいね」と言ってもらえた経験が、人の役に立つ喜びを知った原点だという。
最初は社命で来たタイ。任期を終えても留まろうと決意した理由は?
「調理や経営、さまざまな方面から飲食業を学んだあと、地元の兵庫県に戻って働こうと就職した先で『丸亀製麺』に配属され、気づけば日本全国や海外を飛び回る日々に。うどんという食の魅力にのめり込み、ASEAN諸国を技術指導して回るうち、タイに出会いました。家族を大切にする、困った人がいれば、例え自分も困った境遇にいようと助ける、いろいろな形の幸せがあると示してくれたタイという国と”ここで離れるのはもったいなくないか?”と思ったんです」
そうして始まったのが「ヒナタ」だった。出店場所は人通りの多さよりも、低コストでの運営を優先。家賃や広告費を極力抑え、その分、価格と満足度に還元すると決めていた。
「居酒屋の価値って、酔うことだけじゃない。仕事帰りにほっと肩の力を抜けるとか、悲しい気分が晴れるとか、家飲みとはまた違う空間がそこにある。それだけに最後のお会計でがっかりされたら、せっかくの余韻が台無しになってしまう。お財布に優しければお客さんもハッピー、少しでも喜んでもらえたら僕もハッピー、お店はそういう幸せなエネルギーの集合体でありたいんですよね」
理解し、伝え、分かち合う。
コロナ禍では厳しい日々が続いた?
「デリバリーに活路を見出し、とにかく何でも挑戦しました。単に食べ物を運んで終わり、ではなく、顧客一人ひとりとLINEで直接やりとりしながら少しでも満足してもらえるよう努めた日々は、店の在り方を考えるきっかけにもなった。タイで生きていて、まず考えるのは”死なないこと”です。大きなホームランを打たなくていい。小さくバントでコツコツと出塁を増やしていく。正直、メンタルは強くないから、慎重に防御力を高めているのかもしれません(笑)」
儲けだけを目的にせず「お客さんと顔を合わせながら、目が届く範囲で丁寧に店を続けたい」のが本音という。スタッフに対しても日本の言葉や文化を押し付けることなく、日本人の根っこにある“心遣い”を感じ取ってもらえたら、との思いも。
「お客さんへのお出迎え、お見送り、汗をかいていたら冷たいおしぼりを出すとか、小さな心遣いの重なりが日本らしさだと思うんです。逆に僕もタイの文化を理解したくて彼らの中に入っていく。言語や慣習の違いを乗り越えるには、伝えたい気持ちと理解したい気持ちが重なること。それが真のコミュニケーションじゃないかと。昔、うどんの技術指導で来た時も「ここでプッシュ!ホット!」なんて片言で伝えてながら、なぜかお互い深く通じ合うという得難い経験をしましたから(笑)」
「どの国にも歴史や伝統文化があり、それを守って次世代に伝えていく。僕がここで日本食を提供する意味も、もしかたらそこにあるのかもしれません。自分の子供に、というより、タイや日本でこれからの未来を生きる人たちの心に何か少しでも残れば、こんな嬉しいことはないですね」
お店データ
アソーク店
TEL:063-317-5577
住所:Soi 21, Sukhumvit Rd.
営業時間:月‐金11:30-:14:30、17:30-23:30 / 土日 12:00-22:00
休:無
駐車場: 有(Asok Place 地下駐車場が2h無料)
お一人様予算:300B~
スティサン店
TEL:063-317-5577
住所:Sutthisan Winitchai Rd.
営業時間:月から土曜日までは11:30-:14:30、17:30-23:30 / 日曜日のみ 12:00-22:00になります
休:無
生き方そのものが仕事へと繋がる面白さ。
2005年、東京・方南町で大衆酒場としてスタートした「なぎ屋」。炭火で焼き上げる焼き鳥、やきとん、本場のスープで仕上げるもつ鍋など、本格的な味と活気ある接客が人気を博し、現在は姉妹店を入れると日本に7店舗、タイに11店舗を展開。店を牽引するのが、統括部長の小次一生さん。学生時代から店に立ち、タイ進出にも携わってきた生え抜きだ。
「うちのオーナーは元々ノマド的に働くWebデザイナーで、海外を放浪するなかで『本当に美味しい日本食を出す店って少ないな』と不満を持ったのがきっかけでした。タイ1号店は日本街に決め、満を持してオープンしたのですが、まさかの3日目で営業停止(笑)。大規模な反政府デモの影響で、店から目と鼻の先にあるテレビ局の前に戦車がやって来たんです。政情不安、洪水、コロナ、地震と5年周期くらいで何かしら起きてる感覚がありますね」
その中でもコロナの影響は甚大ですね
「旅行者のお客さんも多かったので、世界各国での動きがわりと早く入ってきたんです。ロックダウン前から、アメリカや中国からのお客さんが減り、これは長引くだろうと覚悟しました。当時9店舗、約260人のスタッフを抱えてましたが、働けない状況に、スタッフも次々と故郷に戻っていきました」
その間、お店はどうしていたんでしょう
「トンロー店の店先で朝におかゆを一杯30、40バーツで売ったりもしましたよ。静まり返ったモールを眺めながら”この先、飲食に人は戻ってくるのか?” と不安になる日もあったけど、あちこちの路上で屋台を始めるタイ人のバイタリティに刺激をもらつて、うちも負けてられないなと思ったんです」
あらゆる視点で、見て、学ぶ。
店内飲酒が解禁されたタイミングで、散り散りだったスタッフに声をかけると、戻ってきたのは60人ほど。9店舗のうち2つは閉め、残りの7店舗でゆっくりと再始動をかけた。
「その経験から、スタッフは少数精鋭で運営する意識が強くなりました。昔のタイはどこもそうでしたが、うちも1店舗に30人もいて、そのうち半分はボーッと突っ立ってるだけ、みたいな(笑)。でも今は、優秀なスタッフにしっかり賃金を払う形にしています」スタッフの成長にも目を細める。
「彼らの価値観も大きく変わったと思います。日本食はおろかサーモンすら食べたことない子も珍しくなかったし、店に入ったらいきなり踊ってたり、ソムタム食べてたり、昔は自由な感じでしたね(笑)。でも、一緒に働くうちにこちらの意図を理解してくれて、今では日本食への知識やホスピタリティも本当に高くなったと感じます」
これから目指すなぎ屋のかたちは?
「日本のサイゼリヤみたいなポジションですかね。気軽に入れて、誰とでも来れて、毎日の選択肢になるような居酒屋。日本の味を、日本と遜色ない価格で提供する。そのために、タイと日本の連携ももっと強化して、安定したレシピと仕組みを作っていきたいです」
朝から晩まで「店のことしか考えてない」という小次さん。個人の旅行中も”市場調査”を兼ねたデータ収集を欠かさないという。
「交通量、人の動き、足りないものは何だろう?と考えながらずっと見てる感じ。その観察が実際の経営に生きてきたら最高ですし、外れても学びになる。もうそれが趣味というか…..人生をお店に捧げちゃってるのかもしれません(笑)」
お店データ
TEL:トンロー9店 02-003-9563, 日本街店 02-258-2790, ゲートウェイ・エカマイ店 02-108-2823, アソーク店 02-258-1277, タニヤ店 02-235-6004, ドンキモール店 02-120-4469, サトーン店 02-117-2856
住所:トンロー他
【目次】
1. うなきち|Unakichi 2. 生そば あずま ソイ49店|Kisoba Azuma Soi49 branch 3. 恵美須商店|Ebisu Shoten 4. 串焼き・串揚げ ヒナタ|Hinata 5. 天下一 焼きとん 焼き鳥 なぎ屋|Nagiya
1.うなきち|Unakichi
マネージング ダイレクター 松本隆志さん (TAKASHI MATSUMOTO)
時代を読み解く力で希少価値を高めてゆく。
「最近では、安価なニホンウナギ以外の稚魚を養殖した外来種を使う専門店も増えています。古来から日本に息づく”本物の鰻”を味わえる機会はどんどん減っていますね」
そう語るのは、シンガポールで20年にわたり日本食を提供し続けてきた料理人、松本隆志さん。高知の本社とともに、純国産ニホンウナギを武器に6年前、トンローのホテル日航に「うなきち」をオープン。
「2019年3月に開業して、同年11月から、コロナの影がじわじわと広がってきて。不安の中でしたが、本物のうなぎを届けたいと奮闘してきました」
逆風の中でどう耐えたのか?
「予測不可能なパンデミックを乗り切る知恵を誰もが持ち合わせない中、ランチ営業やデリバリー、できることを一つひとつ積み上げながら、我々も含めたスタッフの生活を守ることを最優先にしました。味の要となるタレも、継ぎ足して守ってきたものですから、定期的に火を入れて、店が動かない間も育て続けました。シンガポールではSARSも鳥インフルエンザも経験しましたし、何をしてもダメなときはダメ。目の前の売り上げを追うより、時が過ぎるのを、じっと待つしかないなと」
シンガポールからタイに拠点を移した理由は?
「シンガポールは狭い国土に飲食店もひしめいています。新しいことをやるには限界を感じていたし、年齢的にも次が最後かもしれないという気持ちもありました。その点、タイは発展も著しいのに、昔の日本のような懐かしさもある。食材の輸入規制などの面で難しさもあるんですが、海も山もあって気候もいい。中華系のノリと比べると、タイ人の持つ柔らかい雰囲気が、自分には合っているとも感じます」
「開店当初、タンブン(徳を積むための放流)文化があるから、タイ人にうなぎは食べられないという声もありました。でも、日本に行くタイ人が増えたことで、本物のうなぎを知る方も増えました。当店のさっぱりした辛口のタレを好む方も多くなってきて、少しずつ受け入れられてきた実感があります」
日本の伝統文化を次世代へ。
店として変えるもの、変えないもの
「シンプルだからこそ手間を惜しまず、妥協しない。備長炭で焼くのも、和蒸籠で蒸すのも、全ては鰻の魅力を最大限引き出すためです。鰻のようなアナログな専門店って、鰻の味がお客様の期待に合うか、この期待を裏切ることになれば次はありません。だからこそ、クオリティもサービスも常に一定を保つ努力が必要です。ただ、コロナ以降、客層もニーズも大きく変わったと感じています。料理を待つ間にお酒を楽しむ——それが鰻屋の醍醐味だった。でも今は“早く食べて帰りたい”というお客様も多い。一人ひとりに寄り添う柔軟さも、これからは必要になってくると感じています」
今後の展望は?
「ニホンウナギは絶滅危惧種に指定され、白炭の備長炭も資源枯渇の危機に晒されている。日本の老舗店でも、かき入れ時の土用の丑の日に休む店が増えているほど、いいものは取り合いなのが現状です。私たちも環境との向き合い方を模索しながら、江戸から続く文化としてのうなぎ屋を次世代に繋いでいきたい。料理人の妻と二人三脚、互いに助けながらこれまで歩んで来れた。タイではまだ7年目。若くはありませんが、頑張ります(笑)」
お店データTEL:098-104-0010
住所:トンロー通り日航ホテル3階
営業時間:ランチ 11:30-14:00 (L.O. 13:30), ディナー 17:30-21:30 (L.O. 20:30)
休:月・第三火曜、禁酒日ディナー(禁酒日はランチのみ営業)
駐車場:有
2. 生そば あずま ソイ49店|Kisoba Azuma Soi49 branch
オーナー 川野敦史さん (ATSUSHI KAWANO)
七転八起の精神が、人生に彩を与えてくれる。
ソスクンビット・ソイ49と33/1で「生そばあずま」2店舗、そして「うどんWEST」。福岡発の飲食チェーン「ウエスト」が展開する3店舗を束ねるのが、オー
ナーの川野敦史さん。”蕎麦3玉まで無料”というサービスで話題を席巻、それまでの”蕎麦=少ない・高い”のイメージを払拭した。
飲食の道に入ったきっかけは?
80年代初頭からNY、LA、はたまたジャマイカと店舗展開するウエストに、純粋に”海外で働きたい”という気持ちから入社を決めました。22歳の時、今から35年前のことです。勤務地はニューヨーク。ダウンタウンやブロードウェイ、タイムズスクエアなどの街角で、おでんや立ち食い蕎麦、寿司のファストフードをやっていました。マドンナに接客したこともありますよ(笑)」
刺激的な日々も気づけば10年の月日が流れていた。アメリカに骨を埋めるつもりで永住の覚悟を固めるも…..。
「ビザの関係で日本への帰国を余儀なくされました。これを機に一度退職して、今度はカナダで働こうかなと、1ヶ月ほど求職の旅に出たんです。でもどこか決め手に欠けて、結局日本に戻りました。その時、行くなら暖かい国がいいなという思いも頭にあった。それが今のタイに繋がったのかもしれません」
帰国後、ウエストの創業者から「暇してるならうどん屋を手伝いなさい」と声がかかり、再び現場へ。そこから10年、怒涛のフル稼働が始まる。
「会社員ではあるけど、どこか自由業みたいな側面もあって、基本的に仕事は好きなんです。がむしゃらに働いていたら、国内の店舗数は30から130まで増えてましたね」
困難を乗り越えた先にある景色。
その後にタイ進出を決意した理由は?
「日本ではうどんの繁忙期は冬、夏は蕎麦って分かれてる。NYもシーズンに左右されるけど、タイならほぼワンシーズンで一年中蕎麦が売れる環境じゃないかって」
2015年の初出店から一時期は7店舗まで増やしたが、順風満帆とはいかなかった。景気の悪化で2店舗、コロナ禍でさらに3店舗が閉店。コロナの休業補償もない中、従業員の退職手続き、家賃交渉、デリバリー対応などで体力も気力も削られた。
「デリバリーや持ち帰りで到底カバーリングできる状況ではない。カラ家賃だけ払いながら、その後10ヶ月ほど続く一時休業に入りました。”あずまさん、撤退したのかな”って噂されるほどで。10ヶ月後に店に戻ったら、もう空気も淀んで、内装もボロボロで…..完全に”死んでる”状態でした。大掃除から始めて、内装も直し、「あずま」の看板をもう一度掲げて再スタートを切ったら、辞めた従業員もお客さんもたくさん戻って来てくれて。おかえり、待ってたよ、と声をかけられた時は、涙が出るほど嬉しかったですね」
タイに出店してみてのメリット、デメリットは?
「エアコン、冷蔵庫、内装、とにかく設備の劣化は早く、修理費もかさむ。ただ、契約や開業準備に2~3年かかるNYと比べれば、店を開けるまでのスピードは段違いで、人件費や気候の面でもメリットは大きいかな。進出当初は、タイ人は蕎麦を食べないと言われ、実際にお客さんの9割が日本人でしたが、今は完全にタイ人が中心。タイの飲食シーンは今、加速度的に進化しています。そのスピード感をもって、もう一度展開を仕切り直したい。蕎麦以外の業態にも挑戦したいし、別の国にも行ってみたい。まだまだ、見たい景色があるんです」
お店データTEL:061-178-9616
住所:スクンビット通りソイ49奥四つ角、ウォラサービスアパート1階
営業時間:11:00-15:00 (L.O. 14:30), 17:00-21:30 (L.O. 21:00) 日祝21:00閉店
休:無
駐車場:有
お一人様予算:500B~
3. 恵美須商店|Ebisu Shoten
オーナー 佐々木真さん (MAKOTO SASAKI)
この土地だからこそ、パッションが湧いてくる。
安く、美味しく、昼から飲める大衆酒場。そんなコンセプトで札幌を拠点に展開する恵美須商店が、2019年、海外初出店を果たす。オーナーは佐々木真さん。タイに決めたのは一瞬のひらめきだったという。
「20代はススキノでBARを経営していて、30代で結婚を機に恵美須商店に入社しました。年に数回は仲間と海外旅行をしていたので、次はバンコクに行ってみようかと。それが全ての始まりでした」
初めてのタイ訪問は4月、ソンクラーン明けの猛暑のバンコク。強烈な熱気と活気あふれる繁華街、そしてそこに根づいていた日系居酒屋の存在感に驚かされた。
「しっかり美味しく、価格帯は日本と変わらないか、むしろちょっと高いくらい。それでも店は繁盛している。タイの物価を考えると、これは面白いなと。タイローカルの居酒屋『剣心』に行った時も、安くてそこそこ美味しいものがタイ人に支持されているのを見て、“これ、日本人の味覚に寄せて、うちがやったらいけるんじゃないか?”と」
そう思ったら行動は早く、旅行から半年後の11月には、ソイ26の路地に1号店をオープン。順調な滑り出しを見せるも…..。
間もなく飲酒・飲食禁止のロックダウンに突入しました
「正直、毎日どうにかしないとって感じでした。店頭に焼きそばやたこ焼き、おはぎを並べたり、デリバリーをフル回転させたり、SNSも必死に更新して。その中で生まれたのが、格安の宅配寿司や200バーツ以下の海鮮丼、そして“300べろセット”。300バーツで酒とつまみを楽しめるセットは、今でも主力メニューです」
灼熱の太陽と活気あふれるタイ。
そうしたアイディアの源は?
「毎日どこかしらの店で食べ歩き、良いと思ったら自分なりに咀嚼して、“今ある材料で再現できるか?お客さんに出せるか?”と考える。100のうち2〜3実現できればいい方ですね。打てば響いてすぐ数字に繋がるのがタイの面白さかもしれません」
海外でのビジネスも初めてですが
「バイク移動の途中なんか、ふと現実感がないというか観光客気分が抜けないなと思う瞬間もあります。でも現場に戻れば、エアコンが壊れたり、トイレの水が吹き出したり、何かしら常にトラブルがある。修理業者も時間通りに来ません。店舗スタッフとの付き合い方も毎日が勉強です。同じ話を何度しても伝わらなかったり、作業の掛け持ちが苦手だったり。でも諦めず、情熱を持って伝え続けるしかない。それでもみんな一生懸命働いてくれるし、普通なら知ることのないような和食も、こちらが教えればどんどん覚えてくれる。本当に助けられています」
現在、バンコクに直営4店舗、フランチャイズ2店舗、計6店舗を展開。今後は?
「いずれはセントラルキッチンを整えて支店を増やし、ローカルエリアにも出てみたいと思いますが、うちの一番の特徴は”低価格”であること。高ければ、居酒屋って毎日来れないじゃないですか。正直、薄利多売で経営的にはラクではありません。だからこそ仕入れは妥協せず、SNSで繋がったタイ系の業者にもガンガン声をかけ、サンプルを取り寄せ、いいと思ったら切り替える。”安ければ買う”って伝えておくと、業者さん同士が勝手に価格競争してくれることも。”え、そこまで下げて大丈夫…?”みたいな(笑)」
お店データTEL:064-304-0960
住所:BTSプロンポン駅すぐ ソイ24と26の間
営業時間:11:00-5:00
休:無
駐車場:無
お一人様予算:300B~
4. 串焼き・串揚げ ヒナタ|Hinata
オーナー 長谷川真也さん (SHINYA HASEGAWA)
そこに心が在るとき 、喜びの連鎖は起きていく。
串一本20バーツから、一品料理も100バーツ前後。「コスパ最強の居酒屋」として在タイ邦人に知られる「ヒナタ」は、アソークの目立たぬ立地ながら、今年で開店6年目を迎える。店を率いるのは、飲食業界ひと筋30年、現場経験も豊富な長谷川真也さん。子どものころ、母親にふるまった手料理を「美味しいね」と言ってもらえた経験が、人の役に立つ喜びを知った原点だという。
最初は社命で来たタイ。任期を終えても留まろうと決意した理由は?
「調理や経営、さまざまな方面から飲食業を学んだあと、地元の兵庫県に戻って働こうと就職した先で『丸亀製麺』に配属され、気づけば日本全国や海外を飛び回る日々に。うどんという食の魅力にのめり込み、ASEAN諸国を技術指導して回るうち、タイに出会いました。家族を大切にする、困った人がいれば、例え自分も困った境遇にいようと助ける、いろいろな形の幸せがあると示してくれたタイという国と”ここで離れるのはもったいなくないか?”と思ったんです」
そうして始まったのが「ヒナタ」だった。出店場所は人通りの多さよりも、低コストでの運営を優先。家賃や広告費を極力抑え、その分、価格と満足度に還元すると決めていた。
「居酒屋の価値って、酔うことだけじゃない。仕事帰りにほっと肩の力を抜けるとか、悲しい気分が晴れるとか、家飲みとはまた違う空間がそこにある。それだけに最後のお会計でがっかりされたら、せっかくの余韻が台無しになってしまう。お財布に優しければお客さんもハッピー、少しでも喜んでもらえたら僕もハッピー、お店はそういう幸せなエネルギーの集合体でありたいんですよね」
理解し、伝え、分かち合う。
コロナ禍では厳しい日々が続いた?
「デリバリーに活路を見出し、とにかく何でも挑戦しました。単に食べ物を運んで終わり、ではなく、顧客一人ひとりとLINEで直接やりとりしながら少しでも満足してもらえるよう努めた日々は、店の在り方を考えるきっかけにもなった。タイで生きていて、まず考えるのは”死なないこと”です。大きなホームランを打たなくていい。小さくバントでコツコツと出塁を増やしていく。正直、メンタルは強くないから、慎重に防御力を高めているのかもしれません(笑)」
儲けだけを目的にせず「お客さんと顔を合わせながら、目が届く範囲で丁寧に店を続けたい」のが本音という。スタッフに対しても日本の言葉や文化を押し付けることなく、日本人の根っこにある“心遣い”を感じ取ってもらえたら、との思いも。
「お客さんへのお出迎え、お見送り、汗をかいていたら冷たいおしぼりを出すとか、小さな心遣いの重なりが日本らしさだと思うんです。逆に僕もタイの文化を理解したくて彼らの中に入っていく。言語や慣習の違いを乗り越えるには、伝えたい気持ちと理解したい気持ちが重なること。それが真のコミュニケーションじゃないかと。昔、うどんの技術指導で来た時も「ここでプッシュ!ホット!」なんて片言で伝えてながら、なぜかお互い深く通じ合うという得難い経験をしましたから(笑)」
「どの国にも歴史や伝統文化があり、それを守って次世代に伝えていく。僕がここで日本食を提供する意味も、もしかたらそこにあるのかもしれません。自分の子供に、というより、タイや日本でこれからの未来を生きる人たちの心に何か少しでも残れば、こんな嬉しいことはないですね」
お店データアソーク店
TEL:063-317-5577
住所:Soi 21, Sukhumvit Rd.
営業時間:月‐金11:30-:14:30、17:30-23:30 / 土日 12:00-22:00
休:無
駐車場: 有(Asok Place 地下駐車場が2h無料)
お一人様予算:300B~
スティサン店
TEL:063-317-5577
住所:Sutthisan Winitchai Rd.
営業時間:月から土曜日までは11:30-:14:30、17:30-23:30 / 日曜日のみ 12:00-22:00になります
休:無
5. 天下一 焼きとん 焼き鳥 なぎ屋|Nagiya
なぎ屋統括部長 小次一生さん (ISSEI KOTSUGI)
生き方そのものが仕事へと繋がる面白さ。
2005年、東京・方南町で大衆酒場としてスタートした「なぎ屋」。炭火で焼き上げる焼き鳥、やきとん、本場のスープで仕上げるもつ鍋など、本格的な味と活気ある接客が人気を博し、現在は姉妹店を入れると日本に7店舗、タイに11店舗を展開。店を牽引するのが、統括部長の小次一生さん。学生時代から店に立ち、タイ進出にも携わってきた生え抜きだ。
「うちのオーナーは元々ノマド的に働くWebデザイナーで、海外を放浪するなかで『本当に美味しい日本食を出す店って少ないな』と不満を持ったのがきっかけでした。タイ1号店は日本街に決め、満を持してオープンしたのですが、まさかの3日目で営業停止(笑)。大規模な反政府デモの影響で、店から目と鼻の先にあるテレビ局の前に戦車がやって来たんです。政情不安、洪水、コロナ、地震と5年周期くらいで何かしら起きてる感覚がありますね」
その中でもコロナの影響は甚大ですね
「旅行者のお客さんも多かったので、世界各国での動きがわりと早く入ってきたんです。ロックダウン前から、アメリカや中国からのお客さんが減り、これは長引くだろうと覚悟しました。当時9店舗、約260人のスタッフを抱えてましたが、働けない状況に、スタッフも次々と故郷に戻っていきました」
その間、お店はどうしていたんでしょう
「トンロー店の店先で朝におかゆを一杯30、40バーツで売ったりもしましたよ。静まり返ったモールを眺めながら”この先、飲食に人は戻ってくるのか?” と不安になる日もあったけど、あちこちの路上で屋台を始めるタイ人のバイタリティに刺激をもらつて、うちも負けてられないなと思ったんです」
あらゆる視点で、見て、学ぶ。
店内飲酒が解禁されたタイミングで、散り散りだったスタッフに声をかけると、戻ってきたのは60人ほど。9店舗のうち2つは閉め、残りの7店舗でゆっくりと再始動をかけた。
「その経験から、スタッフは少数精鋭で運営する意識が強くなりました。昔のタイはどこもそうでしたが、うちも1店舗に30人もいて、そのうち半分はボーッと突っ立ってるだけ、みたいな(笑)。でも今は、優秀なスタッフにしっかり賃金を払う形にしています」スタッフの成長にも目を細める。
「彼らの価値観も大きく変わったと思います。日本食はおろかサーモンすら食べたことない子も珍しくなかったし、店に入ったらいきなり踊ってたり、ソムタム食べてたり、昔は自由な感じでしたね(笑)。でも、一緒に働くうちにこちらの意図を理解してくれて、今では日本食への知識やホスピタリティも本当に高くなったと感じます」
これから目指すなぎ屋のかたちは?
「日本のサイゼリヤみたいなポジションですかね。気軽に入れて、誰とでも来れて、毎日の選択肢になるような居酒屋。日本の味を、日本と遜色ない価格で提供する。そのために、タイと日本の連携ももっと強化して、安定したレシピと仕組みを作っていきたいです」
朝から晩まで「店のことしか考えてない」という小次さん。個人の旅行中も”市場調査”を兼ねたデータ収集を欠かさないという。
「交通量、人の動き、足りないものは何だろう?と考えながらずっと見てる感じ。その観察が実際の経営に生きてきたら最高ですし、外れても学びになる。もうそれが趣味というか…..人生をお店に捧げちゃってるのかもしれません(笑)」
お店データTEL:トンロー9店 02-003-9563, 日本街店 02-258-2790, ゲートウェイ・エカマイ店 02-108-2823, アソーク店 02-258-1277, タニヤ店 02-235-6004, ドンキモール店 02-120-4469, サトーン店 02-117-2856
住所:トンロー他









