2016.02.5特集
歴史とともに生きてきた創業20年超バンコク老舗レストラン7店舗!
創業20年超バンコク老舗レストラン
現在のバンコクは日本食レストランが百花繚乱。その陰には、古くは戦前から、バンコクの日本食シーンを切り開いてきたパイオニアたちの存在がありました。特集第2部では、20年以上にわたり人々に愛されてきた老舗レストランにお話を伺います。
博多・浪花

親子2代で48年、バンコクで2番目に古い日本食屋
江波純雄さんが日本食の職人として一旗揚げようとバンコクに来たのは、今から52年前、東京オリンピックの年だった。当時、タイに関する情報はほとんど手に入らず、身一つでタイに飛び込んだという。「空港からタクシーに乗ると、パホンヨーティンからバンコクに入る国道1号線の両脇にはヤシの木が延々と並んで、いつま でも街が見えてこず不安だったことを今でも覚えています」(純雄さん)。「花屋」の初代オーナーに呼ばれ、最初は「東京レストラン」、次に 「菊水」で働き、資金を貯めて独立した。当時、日系企業はテレックスを送るため、中央郵便局のあったヂャルンクルン通りに集まっていた。そのため、日本食屋もバンコクの西側に多かった。しかし、純雄さんが自分のお店「博多」を開いたのは、スクンビット・ソイ30。1968年、スクンビットエリア初めての日本食屋の誕生である。 その後「博多」はソイ39に移転、そして現在はソイ26で営業している。1978年には2号店の「浪花」をタニヤにオープン。同じ建物の5階には「紅花」というバンコクで初めての日本式焼肉店を開いた。「牛肉の品質が今ほどよくなくて ……、ヒレ肉を10本買うと水牛が1本混ざってくるような時代でした」( 純雄さん ) 。
TEL:02-258-8351, 02-259-9154
住所:74 Soi 26, Sukhumvit Rd. 博多の店舗詳細 アウタールーム
TEL:02-662-2459 (日本語)
住所:120/21 Soi 23, Sukhumvit Rd. アウタールームの店舗詳細 浪花
TEL:02-235-1216~8
住所:58/10- 13 Silom Rd.
酒の店

1990年創業、人情味あふれる兄弟の居酒屋
「酒の店」と言えば、新鮮な魚料理に定評あり。週4回、朝6時の市場に自ら足を運ぶ。お客さんから “シャコが食べたい”とリクエストがあれば、漁師に頼んで獲ってきてもらうなど、美味しい魚を食べてもらうために手間を惜しまない。 今年で創業26年。12年前に父から息子へ代替わりした。兄の沙苗さんが店全般を弟の良治さんが厨房を担当。振り返れば山あり谷ありだったと言う。
TEL:085-941-3141 (日本語)
住所:9/23-24 Soi Thaniya, Surawong Rd. (1号店)
B1F Wallstreet Tower Bldg., 33/9 Surawong Rd. (2号店) 酒の店の店舗詳細
秋吉

しゃぶしゃぶが繋ぐ日本とタイの架け橋
21年前、現プラカノン駅前に「秋吉」の1号 店がオープンした。創業者は、中華系タイ人の Udomsriさん。カネボウや花王など日系企業と共に事業を営んでおり、日本から来る出張者のためにと、小さな定食屋を作ったのが「秋吉」のはじまりだ。 しゃぶしゃぶがメニューに加わったのは約10年前のこと。瞬く間に人気に火が付き、いまや“秋吉といえばしゃぶしゃぶ”と言われるお 店の代名詞になった。
TEL:プラカノン店: 02-714-0791
トンロー店: 02-259-5780~1
住所: プラカノン店: 1521/1 Sukhumvit Rd.
トンロー店: 55 Soi 53, Sukhumvit Rd. 秋吉の店舗詳細
花屋

創業77年、戦前から営業を続けるバンコク最古参店
1939年(昭和14年)、シープラヤー通りで暖簾をあげた「花屋」。中曽根首相や鈴木首相も訪れた老舗の中の老舗だ。現在は、3代目になる綿貫賀夫さんが寿司場に立ち、父が調理場を母と妹が会計を手伝っている。 創業者は賀夫さんの祖父の兄。祖父の代の時に戦争になり、日本に一時帰国して営業を中断したが、戦後、タイに戻りお店を再開させた。
TEL:02-233-3080, 02-234-8095
住所:683 Siphraya Rd.
らあめん亭

“日本のラーメン”をタイに広めた立役者
現在バンコクに5店舗を構える「らあめん亭」が最初のお店を開いたのは1983年のこと。バ ンコクが4か月に渡って浸水する大きな洪水のあった年である。当時、バンコクには約10店のラーメン店があったが、今も残るのは「らあめん亭」だけだとか。 創業当時は日本人のお客さんがほとんどだったが、近年はタイ人のお客さんも増えて来ているという。ラーメンブームの先駆け的存在だ。系列の「葵」は1990年にオープン。 駐在員の接待に御用達のお店として、バンコクの日本食業界を牽引してきた。
TEL:02-235-4326
住所: プラカノン店: 1521/1 Sukhumvit Rd.
トンロー店: 11/1 Surawongse Rd.
はっとり

お客さんにもスタッフにも愛される女性オーナー
「はっとり」が産声を上げたのは1991年頃のこと。肉の輸入ができない時代に、オーナー服部さん自らが時間をかけて独自の仕入れ先を開拓したことが、“安くて美味しい” 「ハットリ」の評価を確立させた。
TEL:02-258-8793
住所:SAKURA Home, Soi 35, Sukhumvit Rd. はっとりの店舗詳細
夢路

年を重ね渋みを増した日本人の心のオアシス
1994年、アソーク通りから一本入ったソイ19に「夢路」が誕生。それから21年、BTSが開通すると飲食店も増え、家賃も人件費も2倍以上になった。この目まぐるしく変わるス クンビットエリアでお店を続けてきた秘訣は「気合いと根性! それに僕はお客さんに恵まれていますね」(店主小泉さん)。 カウンター越しに小泉さんと話すのを楽しみに訪れるお客さんも多い。最近は、若手駐在員からリタイア世代、タイ人や外国人観光客も訪れる間口の広いお店だ。TEL:02-254-4399
住所:19/29 Soi 19, Sukhumvit Rd. 夢路の店舗詳細